今回は、引越しの前後に必要な手続きの情報を、時期別に分けてご紹介します。
引越し直前は非常に慌ただしくなるため、引越しが決まったら早い段階で準備を始めることで、急な対応に追われることを避けることができます。
引越し先が決まったら速やかに行うべき手続き・やること
まずは、引越しが決まったら最初に取り組みたい各種手続きをご紹介します。
中には手続きに時間がかかる可能性のあるものもあるため、できるだけ早めに取り組むことをおすすめします。
引越しスケジュールの確定、業者やレンタカーの手配
【業者に依頼する場合】引越し業者の見積・決定
引越し業者に依頼する場合は、複数の業者に相見積もりをとってから依頼先を決目ることをおすすめします。
繁忙期の場合は希望したスケジュールで予約が取れない場合があります。
また、料金も上がる傾向があるため、早めの予約がおすすめです。
【自力で引越しする場合】レンタカーの手配
自力で引越しする場合は、トラック等の大型のレンタカーを手配しましょう。
荷物の損傷を防ぐために積み荷をしっかり固定してください。
また、荷物の積みおろし作業中はレンタカーの汚損にも注意しましょう。
なお、引越しの繁忙期などにはトラックの予約がとりづらい場合もあります。
引越し日が決まったら早めに予約することを心がけてください。
日割支払ができない、または準備に時間がかかる手続き
賃貸物件・駐車場の解約手続き
賃貸住宅にお住まいの方は、まずは現在住んでいる住宅から退去するため、管理会社や大家さんに解約の連絡をしましょう。
その際、契約書に記載されている解約申し入れ期間を過ぎてしまうと、余計な家賃や違約金が発生する場合があるため注意しましょう。
退去時に部屋をどこまで原状回復するべきかの確認も重要です。
また、車を所有している場合は、駐車場の管理者にも解約の申し入れを行いましょう。
駐車場が個人経営か法人経営かによって解約の告知期限が異なる場合があるため、確認した上で早めに連絡することをおすすめします。
解約書類等は各管理者所定の用紙を使用してください。
インターネットや固定電話等の解約手続き
転居先のインターネット環境を整えるために、プロバイダーに連絡して移転の手続きを行いましょう。
場合によっては手続きに時間がかかる可能性があるため、引越しの1カ月半くらい前には手続きを済ませておいたほうが安心かもしれません。
また、固定電話をお持ちの場合は、そちらの移転手続きも行う必要があります。
手続き内容は、旧居と新居の電話回線管轄エリアによって異なりますので、しっかりと調べて進めましょう。
手続きが遅れると固定電話の利用開始が遅くなってしまいますので、引越しの1カ月~2週間ほど前から移転手続きの申し込みを始めることをおすすめします。
衛星放送やCATVの引越し手続き
旧居で衛星放送やCATVを利用している場合は、新居でも視聴できるように引越し手続きを行いましょう。
手続きが遅れると、利用料を支払っていても新居で衛星放送やCATVを視聴できない期間が発生してしまいますのでご注意ください。
新聞やウォーターサーバーなどの引越し手続き
新聞やウォーターサーバーなどを新居でも利用する場合は、それらの引越し手続きも必要です。
手続きを忘れると、新聞や水などが旧居に提供されてしまい、後から越してきた住人の方に迷惑をかけてしまう可能性もあります。
引越しする前に、各種サービスの提供会社に忘れず連絡しておきましょう。
2週間~1週間前に行う手続き・やること
次に、引越しをする2週間~1週間前に行う主な手続きをご紹介します。
役所や役場で行う手続き
転出または転居届の手続き
同一市区町村内で住民票を移す場合は、役所で転居届を提出しましょう。
異なる市区町村へ引っ越す場合は、旧居の役所で転出手続きを提出します。
転出届の手続きは、引越し2週間前から引越し当日までに行いましょう。
転居届の手続きは、引越し当日から2週間後までに実施してください。
これらは、期日に遅れると過料がかかってしまう可能性があるほか、確定申告や選挙投票、子どもの転校手続きに支障が出る恐れがあるため、忘れず早めに手続きする必要があります。
なお、日程の都合上どうしても難しい場合には、本人による手続きの他に郵送や代理人による手続きも可能です。
手続きの際は、本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカード等)と印鑑を持参してください。
もし代理人が手続きする場合は、委任状の提出も必要になります。
児童手当の住所変更手続きまたは受給事由消滅届の手続き
現在児童手当を受給しており、引越し後も継続する場合は、児童手当の住所変更手続きを行いましょう。
同じ市区町村内で引っ越す場合は、転居届の提出のみで引き続き受給が可能です。
新居と旧居が異なる市区町村の場合は、児童手当受給事由消滅届の提出が必要となります。
印鑑登録の廃止
新居と旧居が異なる市区町村の場合は、旧居の役所で印鑑登録の廃止をしましょう。
ただし、自治体によっては転出届の提出時に印鑑登録も自動で削除される場合があります。
引越し前に旧居の役所で手続きの必要性を確認してください。
国民健康保険の住所変更または資格喪失手続き
同一市区町村内で引越しをする場合は、役所で国民健康保険の住所変更を行いましょう。
異なる市区町村へ引越しする場合は、転出届を出すタイミングで国民健康保険の資格喪失手続きが必要です。
介護保険被保険者の住所変更または返納手続き
異なる市区町村へ引越しする場合、要介護認定を受けている方は、旧居の役所で介護保険受給資格証明書の交付と護保険被保険者証の返納を行いましょう。
要介護認定を受けていない方は、旧居の役所で介護保険被保険者証の返納手続きのみが必要です。
転校・転園など子どもに関する手続き
子どもの転園・転校に関する手続き
子どもが幼稚園に通っている場合、希望する幼稚園への問い合わせと、現在通っている幼稚園の退園手続きを行いましょう。
希望する幼稚園が決まったら、定員の空き状況や途中入園の可否を問い合わせてください。
子どもが同じ市区町村内の公立小学校に転校する場合は、役所に転居届を提出するだけで手続きは完了です。
異なる市区町村の公立小学校や市立小学校に転校する場合は、現在通っている小学校から必要書類を受け取ってください。
ライフライン(電気、ガス、水道、郵便等)の手続き
電気・ガス・水道の移転手続き
電気、ガス、水道の移転手続きとして、旧居での解約手続きを行う必要があります。
ライフラインの移転手続きには、各事業者への連絡が必要です。
手続きは電話やインターネットでも行うことができるので、各事業者の手続き方法について調べてみましょう。
固定電話の移設手続き
現在固定電話を使用していて、新居でも継続して利用する場合は、固定電話の移設手続きを行いましょう。
固定電話の移設手続きには、立ち合い工事が必要となるため、時間がかかる場合があります。
そのため、引越しの1ヶ月から2週間前に手続きを開始するのがおすすめです。
新聞の配達先住所を変更
新聞を購読している場合は、新聞の配達先住所を変更しましょう。
配達先住所を変更する具体的な手続きについては、サービス提供者にご確認ください。
郵便局に転居届を提出
郵便局に転居届用紙を提出することで、旧居宛てに届いた郵便物を1年間無料で新居へ転送することができます。
転居届は郵便局の窓口のほか、ポストに投函することでも提出が可能です。
また、インターネットからも転送サービスの申し込みができます。
旧住所宛ての郵便物が新住所に転送されるまで、転居届提出から3~7営業日を要します。
そのため、引越しが決まったらなるべく早い段階で手続きを済ませるのが良いでしょう。
NHKの住所変更手続き
新居にテレビやワンセグ機能付きのスマホなどがある場合は、NHKの住所変更手続きが必要です。
住所変更の手続きはNHKの公式ホームページから行えます。
引越し直前は何かと忙しくなり、手続き漏れが発生しやすいので、引越しの2週間ほど前から余裕をもって手続きをしましょう。
新居の駐車場の契約手続き
新居で駐車場を利用する場合、新規契約手続きを行いましょう。
引越し前にあらかじめ契約手続きを済ませておくと、引越し後にスムーズに利用することができます。
契約手続きは、駐車場の管理者が規定する方法に従って行ってください。
その他の手続き
勤務先への住所変更
税金の納付や通勤手当の支給を適切に行うため、引越し後の住所を勤務先に伝えましょう。
引越し予定日と住所が決まったタイミングで、総務部や人事部などの担当部署や上司などに報告してください。
1週間前~前日までに行う手続き・やること
次に、引越しの1週間前~前日までに行う主な手続きをご紹介します。
焦らず引越し当日を迎えられるよう、漏れなく準備を済ませましょう。
荷物搬入のための新居の準備
新居の掃除や下見
引越し前に新居の掃除をすることで、ホコリの無いきれいな状態で生活が始められます。
また、入居前から存在する部屋の傷や汚れ、不具合を下見しておくことでトラブルの回避にも繋がります。
引越し当日にやること
引越し当日に旧居と新居でやるべきことをご紹介します。
旧居でやること
冷蔵庫・洗濯機の水抜き
冷蔵庫や洗濯機に貯まった水は、引越し直前に抜いておきましょう。
各製品の取扱説明書をよく読み、水抜きの方法を確認してください。
ガスの閉栓
引越し当日に、旧居のガスを閉栓しましょう。
基本的にガスの閉栓に立ち合いは不要です。
ただし、ガスメーターが屋内にある場合や、建物がオートロックの場合は立ち合いが必要となります。
新居でやること
電気・ガス・水道の開通・開栓
新居では電気やガス、水道が使えるように手続きを行いましょう。
閉栓に対し、ガスの開栓や電気の開通は立ち合いが必要な場合があります。
水道の開栓は立ち合い不要で、蛇口をひねればすぐに利用することが可能です。
引越し後2週間以内など速やかに行う手続き・やること
最後に、引越し後速やかに行うべき主な手続きをご紹介します。
引越しが完了しても、まだ多くの手続きが残されています。
ご紹介する情報を参考に、必要な手続きをチェックしましょう。
役所や役場で行う手続き
転居届または転入届の提出
同じ市区町村内で引越しをする場合は、役所に転居届を提出しましょう。
異なる市区町村へ引越しをする場合は、転入届を提出してください。
転入届の提出期限は、転居後14日以内ですので、忘れずに行うようにしましょう。
転入届を提出する際は、転出証明書や本人確認書類、印鑑なども必要となります。
マイナンバーの住所変更
転入届や転居届を役所に提出するタイミングで、マイナンバーの住所変更も併せて行いましょう。
転入届や転居届を提出してから90日以内に住所変更を行わないと、マイナンバーカードが失効してしまうためご注意ください。
印鑑の登録手続き
異なる市区町村へ引越しをする場合は、新居の役所で印鑑登録を行いましょう。
手続きには、印鑑登録申請書や登録する印鑑、本人確認書類などが必要です。
申請後に送付される照会書に必要事項を記入し、改めて役所の窓口で手続きを行えば登録完了となります。
印鑑登録には、住民票のように手続きの期限は定められていませんが、住所変更の時点で引越し前の印鑑証明書は無効になってしまうため、早めに登録を行うことをおすすめします。
国民健康保険の加入手続き
異なる市区町村へ引越しをする場合は、新居の役所で国民健康保険の再加入手続きを行いましょう。
手続きの期限は転居後14日以内とされています。
役所に転入届を提出すると同時に、国民健康保険の再加入をすると効率的でしょう。
国民年金の住所変更
日本年金機構にマイナンバーを届けたことがなく、マイナンバーと基礎年金番号が結びついていない方は、役所に年金受給権者住所変更届を提出しましょう。
手続きの期限は転入日より14日以内とされています。
国民年金に加入する20歳以上50歳未満の自営業者、農業従事者およびその家族、学生、無職の人が対象です。
児童手当の認定申請
異なる市区町村へ引越し、児童手当を受給する場合、認定申請を行いましょう。
新住所の市区町村での手続き期限は、引越した翌日から15日以内となっています。
手続きに必要なものは、児童手当認定請求書や受給者本人の印鑑、受給者名義の預金通帳やキャッシュカード、本人確認書類、受給者の所得証明書などです。
福祉手当、医療制度の住所変更
福祉手当や後期高齢者医療制度などを利用している方は、市区町村の役所で住所変更手続きを行いましょう。
変更手続きの期限は引越しから14日以内です。
手続きには本人確認書類が必要となります。
飼い犬の登録変更手続き
ペットの犬を飼っているご家庭では、引越し後に登録変更の手続きを行います。猫・小鳥・うさぎなどの小動物は手続きが不要です。
申請は、市区町村役所か保健所で行います。
手続き期限は、引越日から30日以内となっています。
転校・転園など子どもに関する手続き
学校や幼稚園、保育園の手続き
教育委員会から交付された「転入学通知書」を受け取ったら、転入する学校へ必要書類を提出しましょう。
さらに、別の市区町村から転入するときは、転出した学校で発行された「在学証明書」と「教科書給与証明書」を提出します。
警察署で実施する手続き
運転免許証の住所変更
運転免許証をお持ちの方は、新居の管轄警察署や運転免許センター、運転免許試験場で、運転免許証の住所変更手続きを行いましょう。
具体的な期限は定められていませんが、引越し後速やかに手続きを行う必要があります。
自動車やバイクの手続き
自動車を所有している方や、駐車場の場所が変わった方は、引越し後に管轄の警察署や陸運支局などで手続きを行います。
車庫証明の手続き・自動車の変更登録・軽自動車の登録などがその一例です。
車庫証明や車検証の住所変更手続きは住所の変更日から15日以内に行ってください。
なお、普通自動車、小型自動車の場合と、軽自動車の場合で手続き先が異なります。
また、バイクを所有している方は、ナンバープレートの返納を行いましょう。
原動機付自転車、軽二輪車、小型二輪車のそれぞれで管轄が異なりますので注意が必要です。
銀行やクレジットカードなど金融サービスの引越し手続き
金融機関の住所変更手続き
金融機関で口座を開設している方は、引越し後のできるだけ早いタイミングで登録住所を変更しましょう。
手続きはインターネットや店舗窓口、電話、郵送などの方法で行うことができます。
ただし、投資信託など一部のサービスについては、登録情報の変更が店舗窓口のみでしか行えません。
詳しい手続き方法は、各金融機関の案内をご確認ください。
クレジットカードの住所変更手続き
クレジットカードを利用している方は、クレジットカードの登録住所を変更しましょう。
手続きはインターネットや郵送などの方法で行えます。
住所の変更手続きが遅れると、カード会社からの重要なお知らせを受け取れなくなってしまうため、引越し後速やかに手続きを行いましょう。
詳しい手続き方法は、各カード会社の案内をご確認ください。
その他の手続き
パスポートの住所変更
パスポートには住所が印字されていないため、引越し時の手続きは基本的に不要ですが、引越しと同時に本籍地も変更した場合は、パスポートの記載内容変更手続きが必要となります。
旧居敷金の精算
旧居の原状回復にかかった費用を敷金から差し引いた金額は、引越し後に返金されます。
旧居の管理会社に連絡をし、旧居敷金の精算を行いましょう。
まとめ
以上、引っ越し前後に必要な手続きをご紹介しました。
手続きの中にも、引っ越しが決まってすぐに着手すべきものから、引っ越しの直前に行うもの、引っ越し後に行うものまで数多くあります。
新居での生活をスムーズに始めるために、ひとつひとつの手続きを着実に進められるよう準備しておきましょう。